心象風景

リオデジャネイロ五輪の閉会式で行われた次回開催都市、

東京のパフォーマンスに、地球の反対側から土管を通じてリオへ―。

安倍晋三首相が人気ゲーム「スーパーマリオブラザーズ」の主人公、

マリオ姿に扮して登場したのには正直驚いた。

オリンピック憲章には会場などでの政治的な宣伝活動を禁止している。

オリンピックの歴史に詳しい専門家によれば、閉会式での演出に国の

トップが加わった過去の事例はないという。




ちょうど８０年前、ナチス政権下のドイツで開かれたベルリン大会で、

ヒトラーは国威発揚のため自ら開会宣言を行った。

オリンピックの政治利用の最悪のケースとして歴史に刻まれている。

その事が安倍首相に重なって見えたのは私だけだったろうか。

映像では、国会議事堂をバックに首相専用車、その中に安倍首相が

後部座席に座っているところが映し出され、英語で「リオ行きには

時間がない」の文字が重なる。

明らかに日本政府が東京オリンピックの宣伝に関わる意図が表現されていた。

リオ五輪の前には電通に安倍首相が訪ねてレクチャーを受けているというから

用意周到の計画だったことは明らかである。

憲法改正を狙う首相の強かさが視て取れる。

国威発揚を世界に向かって発信したとみられても仕方ない。

オリンピック憲章に抵触してまで政治利用しようとする

政権のパフォーマンスは如何なものだろうか。